10月16日は「世界食料デー」です。「世界食料デー」に関係するトピックスを紹介します。朝礼やその日のネタにでもなれば幸いです。
世界食料デー(World Food Day)
「世界食料デー(World Food Day)」は、1981年(昭和56年)に、国際連合食糧農業機関(Food and Agriculture Organization:FAO)が制定した国際デーの一つです。
10月16日である理由は、1945年(昭和20年)の10月16日に、国連食糧農業機関(FAO)が創設されたことを記念して制定されました。
「世界食料デー(World Food Day)」は、飢餓に苦しむ人々、全ての人々に健康的な食事を確保する必要性について、世界的な意識喚起と行動を促す国連の記念日であり、世界の一人ひとりが協力し合い、世界に広がる栄養不良、飢餓、極度の貧困を解決していくことを目的としています。
世界の食糧問題
食べ物は足りている
世界の飢餓の原因は、食料生産が追いついていないからではありません。世界の穀物生産量は毎年26億トン以上。在庫もあるので、今、世界ではすべての人が十分に食べられるだけの食料は生産されていると言われています。それにもかかわらず、世界では最大8億1100万人、10人に1人が慢性的な栄養不足です。
フードロス
世界では毎年、食用に生産されている食料の3分の1にあたる13億トンが捨てられています。日本のような先進国では、「食べ残し」や「賞味期限切れ」など消費段階で捨てられる食べ物が多いのが現状です。一方では、途上国では収穫段階から食品ロスが生じています。衛生状態が悪く、不十分な保管施設では害虫やカビが発生し、作物が傷んでしまいます。また経済的に貧しい農家は人手や機械が手に入らないため、収穫が間に合わないと作物を腐らすしかありません。
フードロスは何が問題?
本当であれば食べられるはずだったにも関わらず、捨てられてしまう食べ物=フードロス。国連食糧農業機関(FAO)の報告書によると、フードロスが与える影響のひとつとして、地球環境への負荷が上げられています。フードロスによって排出される温室効果ガスの量(二酸化炭素換算)は36億トン。世界の温室効果ガス排出量の約8%を占めます。気温の上昇や雨の降り方などの気候の変化、干ばつや洪水などの異常気象によって食べ物を作る環境が厳しくなるなか、その影響を大きく受けるのは、アジアやアフリカなどの最貧国に住む小規模な農家です。
また、食料を生産するには水や土地などの資源がたくさん必要なため、食べ物を捨てるということは地球上の限られた資源もムダにすることになります。世界で利用されている水のうち食料を生産するために使われているのは約70%。たとえば、ハンバーガー1個に使われている小麦や牛肉を生産するためには999リットル=2リットルのペットボトル500本分の水が必要です。捨てられてしまう食料を生産するために、世界の農地の30%近くが使われているという報告もあります。
2030年までに飢餓をゼロに
まだ食べられる食べ物をたくさん捨てている日本でも、約2000万人の人たちが貧困ライン以下(全人口の中央値の半分に満たない所得)で生活していて、なかでもひとり親世帯や高齢者の割合が高いです。生きるために最低限必要な食べることさえも十分ではない人たちがいることは、世界も日本も同じです。国際社会は、持続可能な開発目標(SDGs)の中で2030年までに「飢餓をゼロに」することを約束しています。「食べる幸せ」をみんなで分かち合える世界にするために、必要なのは私たち一人ひとりの行動にかかっています。