10月17日は「神嘗祭」です。「神嘗祭」に関係するトピックスを紹介します。朝礼やその日のネタにでもなれば幸いです。
神嘗祭(かんなめさい)
「神嘗祭(かんなめさい)」とは、毎年10月17日に、天皇がその年に収穫された新穀を、伊勢神宮の天照大御神に捧げて五穀豊穣に感謝するお祭りのことをいいます。
伊勢神宮で行われる年間1500回程あるお祭りの中でも、もっとも重要なお祭りとされています。
神嘗祭は、かつては旧暦の9月17日に行われていましたが、1872年(明治5年)の太陽暦導入の際に新暦の9月17日に改められました。しかし、この時期では稲穂の生育が不十分であるため、1879年(明治12年)より、一ヶ月遅れの10月17日へ改定されました。1874年(明治7年)から1947年(昭和22年)までは大祭日として休日になっていました。
神嘗祭とは
「神嘗祭」の始まりは、721年(養老5年)からと言われており、約1300年も続いている伊勢神宮のお祭りです。天皇陛下が皇祖神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)に、伊勢神宮と皇居の賢所に新穀をお供えになり、豊かな「みのり」への感謝を捧げます。
明治時代の改暦以前は9月に行われていましたが、現在では以下の流れで執り行われます。
【10月15日】
興玉神祭(おきのたまかみさい)
↓
御卜(みうら)
↓
=午後10時= 伊勢神宮の外宮(豊受大神宮)にて
由貴夕大御饌(ゆきのゆうべのおおみけ)
【10月16日】
=午前2時= 伊勢神宮の外宮(豊受大神宮)にて
由貴朝大御饌(ゆきのあしたのおおみけ)
↓
=正午= 伊勢神宮の外宮(豊受大神宮)にて
奉幣(ほうへい)
↓
=午後6時= 伊勢神宮の外宮(豊受大神宮)にて
御神楽(みかぐら)
↓
=午後10時= 伊勢神宮の内宮(皇大神宮)にて
由貴夕大御饌(ゆきのゆうべのおおみけ)
【10月17日】
=午前2時= 内宮(皇大神宮)にて
由貴朝大御饌(ゆきのあしたのおおみけ)
↓
=正午= 伊勢神宮の内宮(皇大神宮)にて
奉幣(ほうへい)
↓
=午後6時=伊勢神宮の内宮(皇大神宮)にて
御神楽(みかぐら)
10月15日よりはじまる神嘗祭では、興玉神祭から始まり、続いて御卜が行われます。その後、三日間にわたり、外宮と内宮で由貴大御饌・奉幣・御神楽が行われます。
神宮のお祭りは、外宮先祭といってまず外宮で祭儀が行われる習わしがあります。内宮に先だって外宮で15日から16日にかけて由貴大御饌・奉幣・御神楽が行われます。伊勢神宮は内宮(ないぐう)と外宮(げぐう)の二つがあります。内宮は皇大神宮(こうたいじんぐう)と呼ばれ、皇室の祖先である天照大御神をお祀りしています。一方の外宮は、豊受大神宮(とようけだいじんぐう)と呼ばれ、天照大御神のお食事を司る御饌都神(みけつかみ)である、豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りしており、衣食住、産業の守り神とされています。
興玉神祭(おきのたまかみさい)
大宮地の地主神に祈る儀式
御卜(みうら)
神職が神嘗祭の奉仕にかなうかを伺う儀式
由貴大御饌
清浄で立派な食事という意味で、海川山野のお供え物を取り揃え、神田で収穫された新米を玄米のまま蒸して土器に盛り、御餅をつき、白酒黒酒のお酒を醸してお供えします。
夕と朝、どちらも夜の暗闇の中にともされた火をたよりに、真っ白な装束に身を包んだ神官たちが、厳粛な祈りを捧げて行われるようです。
奉幣(ほうへい)
天皇陛下が遣わされた勅使が、幣帛(へいはく)という神への捧げ物を奉納することです。神宮では五色(青、黄、赤、白、黒)の絹の反物などが奉納されるようです。
御神楽(みかぐら)
御祭神を慰めるために行われる神楽です。神様に喜んでいただいてお祭りは締めくくられます。