12月9日は「しそ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」の日」です。「しそ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」の日」に関係するトピックスを紹介します。朝礼やその日のネタにでもなれば幸いです。
しそ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」の日
「しそ焼酎「鍛高譚」の日」は2017年(平成29年)に、焼酎などの製造で知られる合同酒精株式会社(ごうどうしゅせい)を母体とするオエノンホールディングス株式会社が制定しました。
12月9日である理由は、1992年(平成4年)12月9日にロングセラー商品であるしそ焼酎「鍛高譚」(たんたかたん)が発売開始したことに由来します。
『しそ焼酎「鍛高譚」』について
『しそ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」』は北海道白糠町(しらぬかちょう)産の厳選された香り高い赤シソと、大雪山系を望む旭川の清らかで冷たい水を使用した、爽やかな風味の焼酎です。
この『しそ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」』は、各市町村がそれぞれ1つの特産品を育てることにより地域の活性化を図る、いわゆる一村一品運動から始まりました。北海道白糠町の特産である赤シソを使った一村一品の商品として、赤シソの香りを活かしたしそ焼酎を開発し、1992年(平成4年)12月9日に発売しました。最初は北海道内だけの販売でしたが、北海道内の空港のお土産売場に並べたことをきっかけに、土産品として人気商品となりました。その後、テレビ・ラジオなどでも取り上げられるようになり、今や人気ブランドとなりました。
原料の赤シソは、この『しそ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」』になるためだけに、北海道白糠町の契約農家の方が特別に栽培したもので、他県の赤シソと比べても葉の大きさや香りの強さが違います。赤シソは無農薬で栽培され、一株一株丁寧に収穫し、時間をかけて天日干しと室内乾燥をしながら、やがて美味しい焼酎へと姿を変えていきます。
この「鍛高譚(たんたかたん)」という製品名ですが、ある物語によって命名されました。「鍛高(タンタカ)」とはアイヌ語でカレイ科の魚のことを指します。「譚(タン)」は“物語”のことですので、「鍛高譚」=「カレイ物語」という意味になります。その昔、白糠町にある小高い山「鍛高山」まで、カレイが遡ったという伝説に由来します。この伝説を元にした「鍛高譚」という民話があります。主人公のカレイ(タンタカ)が海に住む仲間を助けるために、薬草(シソの葉)を取りに行く物語です。
今も白糠町にある鍛高山の麓には広大なシソ畑が広がり、焼酎のラベルデザインのイラストもその「鍛高譚」の民話を表したもので、ラベルの中央に飛び跳ねている魚が主人公のカレイ(タンタカ)です。
鍛高譚=タンタカ物語
潮が沖に流れ、海がどんよりと濁ってきました。
魚たちは息が満足に出来ず苦しんでいます。
特に潮に乗って行く者は大変です。
水底に棲んでいるタンタカは、まだ元気がありましたが、みんなの苦しみを見ているとなんとかしなくてはと頭を悩ませていました。
すると長老の海亀がやってきて言いました。
「あの山の麓にどんな苦しみも癒してくれる紫の草がある。私たちは、川では生きていけないがお前なら大丈夫。みんなのために行ってその葉をとって来ておくれ」そう言ってはるか遠くにぽこんと頭を出している山をさしました。
タンタカは、勇気を出して川をさか登りました。流れの強い瀬も、滝も乗り越えて、ようやく青い山のすそまでやって来ました。
そこは木漏れ日の美しい豊かな大地でした。紫の草はすぐわかりました。そのよい香をかいだだけで、長旅の疲れが飛んでいったからです。
しかし、水の中にいるタンタカには、その葉をとることが出来ません。
途方に暮れたタンタカを、森の動物がみつけて、わけを聞いてくれました。
タンタカの話を聞いた動物たちは、かわいそうに思い、手分けして葉を摘み、川に落としてくれました。
タンタカの持ち帰った葉のおかげで魚たちは元気をとりもどすことができました。
まもなく潮も帰ってきて、海に平和がもどりました。
そして魚たちは、紫の葉のある青い山を<タンタカ山>と呼ぶようになりました。
白糠(しらぬか)沖から望む<タンタカ山>は昔も、今も、漁からの帰湾の時、目印として大切にされています。