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【わかりやすい】世界遺産〜種類、登録の基準、日本の世界遺産〜

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毎年のように世界各地で登録される「世界遺産」。世界遺産は世界にどれくらいあって、日本にはどれくらいあるのかはご存知ですか。世界遺産はどこの機関がどのような基準で決め、世界にはどれくらいの世界遺産があるのか、また日本においてはどれくらいの世界遺産があるのかを紹介します。

※更新日:2021年8月5日

 

  

1.世界遺産の数(2019年7月現在)

世界遺産総数:1,121件

《内訳》

文化遺産:869件

自然遺産:213件

複合遺産:39件

 

《参考》

危機遺産:53件

登録を抹消された世界遺産:2件

世界遺産条締約国:193か国

締約国のうち世界遺産を持たない国:27か国

 

 

2.世界遺産とは

【概要】

「世界遺産」とは,世界遺産条約に基づいて作成される「世界遺産一覧表」に記載されている物件のことで、建造物や遺跡などの「文化遺産」、自然地域などの「自然遺産」、文化と自然の両方の要素を兼ね備えた「複合遺産」の3種類があります。

 

【登録の対象】

世界遺産には3つの種類があり、有形の不動産が対象です。

《文化遺産》

顕著な普遍的価値を有する記念物、建造物群、遺跡、文化的景観など

例)インドのタージ・マハル、ドイツ連邦共和国のケルン大聖堂など

《自然遺産》

顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、絶滅のおそれのある動植物の生息・生育地など

例)タンザニア連合共和国のキリマンジャロ国立公園、アメリカ合衆国のイエローストーン国立公園など

《複合遺産》

文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えているもの

例)ギリシア共和国のメテオラ、グアテマラ共和国のティカル国立公園など

 

【登録される基準】

世界遺産リストに登録されるためには、「世界遺産条約履行のための作業指針」で示されている下記の登録基準のいずれか1つ以上に合致するとともに、真実性(オーセンティシティ)や完全性(インテグリティ)の条件を満たし、締約国の国内法によって、適切な保護管理体制がとられていることが必要です。登録の基準は次のように定められています。


《世界遺産の登録基準》

(i)人間の創造的才能を表す傑作である。

(ii)建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値感の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すものである。

(iii)現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である。

(iv)歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。

(v)あるひとつの文化(または複数の文化)を特徴づけるような伝統的居住形態若しくは陸上・海上の土地利用形態を代表する顕著な見本である。又は、人類と環境とのふれあいを代表する顕著な見本である(特に不可逆的な変化によりその存続が危ぶまれているもの

(vi)顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある(この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。

(vii)最上級の自然現象、又は、類まれな自然美・美的価値を有する地域を包含する。

(viii)生命進化の記録や、地形形成における重要な進行中の地質学的過程、あるいは重要な地形学的又は自然地理学的特徴といった、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な見本である。

(ix)陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化、発展において、重要な進行中の生態学的過程又は生物学的過程を代表する顕著な見本である。

(x)学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する。

 

【登録の流れ】

①登録をめざす物件を選定

②文化遺産の場合は文化庁、自然遺産の場合は環境省か林野庁

③登録をめざす物件を暫定リストとしてユネスコ世界遺産センターへ提出

④暫定リストのなかから条件の整った物件を推薦

⑤推薦は1国あたり1年につき1件まで

⑥ユネスコ世界遺産センターが現地調査

⑦文化遺産については ICOMOS、自然遺産については IUCN に現地調査を依頼

⑧ユネスコ世界遺産委員会(年1回開催)が登録の可否を決定

 

 

3.日本の世界遺産(平成29年7月現在 合計21件)

※外務省HPより

法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)(平成5年記載)

姫路城(兵庫県)(平成5年記載)

屋久島(鹿児島県)(平成5年記載)

白神山地(青森県、秋田県)(平成5年記載)

古都京都の文化財(京都府、滋賀県)(平成6年記載)

白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県、富山県)(平成7年記載)

原爆ドーム(広島県)(平成8年記載)

厳島神社(広島県)(平成8年記載)

古都奈良の文化財(奈良県)(平成10年記載)

日光の社寺(栃木県)(平成11年記載)

琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄県)(平成12年記載)

紀伊山地の霊場と参詣道(三重県、奈良県、和歌山県)(平成16年記載)

知床(北海道)(平成17年記載)

石見銀山遺跡とその文化的景観(島根県)(平成19年記載)

小笠原諸島(東京都)(平成23年記載)

平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(岩手県)(平成23年記載)

富士山-信仰の対象と芸術の源泉(静岡県、山梨県)(平成25年記載)

富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県)(平成26年記載)

明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(岩手県、静岡県、山口県、福岡県、熊本県、佐賀県、長崎県、鹿児島県)(平成27年記載)

国立西洋美術館本館(東京都)(平成28年記載)

(注)7か国(日本、フランス、アルゼンチン、ベルギー、ドイツ、インド、スイス)にまたがる「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の構成資産の一つ。

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県)(平成29年記載)

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎県・熊本県)(平成30年記載)

百舌鳥・古市古墳群‐古代日本の墳墓群(大阪府)(令和元年記載)

奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(鹿児島県、沖縄県)(令和3年記載)

北海道・北東北の縄文遺跡群(北海道、青森県、岩手県、秋田県)(令和3年記載)

 

 

4.まとめ

日本には2021年現在では25もの世界遺産が登録されています。せっかく日本にも世界に誇れる世界遺産があるわけですので、生きている内にはできるだけ訪れてみたいものですね。旅行を計画される場合は、「世界遺産の旅」というのもいかがでしょうか。