2月18日は「冥王星の日」です。「冥王星の日」に関係するトピックスを紹介します。朝礼やその日のネタにでもなれば幸いです。
冥王星の日
冥王星の日は、1930年(昭和5年)の2月18日に、アメリカのローウェル天文台のクライド・トンボーが、1月23日と1月29日に撮影した写真との比較研究から、太陽系第9惑星となる冥王星を発見したことを記念して制定されました。
発見以前から、内側の天王星の運行の乱れからもう一つの惑星の存在は予測されていましたが、この冥王星が15等星(天王星は約等星、数字が低いほど明るい)という暗さのため、発見が遅くなりました。その暗さから、ギリシア神話の冥府の神に因み「pluto(プルート)」と名付けられました。
2006年(平成18年)に「惑星」の定義が定められてから以降、冥王星は惑星ではなく準惑星に分類されることとなりました。したがって、現在の太陽系の惑星は、水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星となり、冥王星は含まれません。
冥王星について
太陽系の準惑星の一つ。1930年(昭和5年)に発見されて以降、太陽系の9つ目の惑星とされてきましたが、2006年(平成18年)の国際天文学連合の総会で惑星の定義が定められたことで、冥王星は準惑星とされました。
基礎データ
・赤道面での直径:2,370 km
・表面積:1.764 ×107 km²(地球の0.033倍)
・体積:7.15 ×109 km³(地球の0.0066倍)
・質量:1.3 ×1022 kg(地球の435分の1)
・重力:0.07(地球を1とする)
・太陽からの平均距離:59億1510万km
・地球からの平均距離:58億9000万km
・公転周期:247.796年
・自転周期:6.4日
・表面温度:−223℃
・衛星の数:5(カロン、ニクス、ヒドラ、ケルベロス、ステュクス)
・大気の性質:窒素90%、メタン10%
冥王星はどんなとこ?
1930年(昭和5年)に発見された時点では、太陽から最も遠い天体だったことから、「氷に閉ざされた死の天体」というイメージが一般的でした。しかし、2015年(平成27年)にアメリカの探査機「ニュー・ホライズンズ」が接近探査に成功し、冥王星が薄い大気を持ち、表面が絶えず更新される「生きた天体」であることが判明しました。
米航空宇宙局(NASA)は、ニューホライズンズで撮影した冥王星の地表の鮮明な画像を公開しました。その写真には、地表に連なる山脈やクレーター、氷河の様子を約80キロの範囲にわたって撮らえていました。
冥王星で最も目立つ、明るいハート形の領域「スプートニク平原」は、地質学的に「生きている」ことが明らかになりました。スプートニク平原の下にある氷の対流が、その表面をたえず新たに覆い直し、多角形のパターンを作り出しているという発見が報告されています。なめらかなその平原には多角形のパターンに分割されているように見え、これは新しい氷が下からゆっくりわき上がってくることを示しているといいます。その表面の氷は地質学的に驚くほど新しいもので、50万~100万年ほどで置き換わるそうです。スプートニク平原には窒素が凍った氷からなる氷河が流れ込んでいて、平原には水が凍ってできた巨大な氷山が漂っているが、窒素の氷河はその水の氷山の傍らを流れることで氷のかけらを運び、冥王星の表面に溝を刻んでいると考えられています。
なお、この探査機ニューホライズンズは人類がいまだ探査の手を及ぼしていない冥王星、そして、その先に広がるカイパーベルト天体を探査する計画です。2006年1月19日に打ち上げられ、10年近い飛行の後、2015年7月14日に史上はじめて冥王星へ最接近(フライバイ)を行い、大量のデータを取得しました。さらに、2019年(令和元年)1月1日には同じく史上はじめて、カイパーベルト天体である「ウルティマ・トゥーレ」に最接近(フライバイ)を行いました。そして、現在も太陽系の外に向かって飛行を続けており、2021年(令和3年)までには別のカイパーベルト天体を探査する計画になっています。