10月3日は「世界パスタデー」です。「世界パスタデー」に関係するトピックスを紹介します。朝礼やその日のネタにでもなれば幸いです。
世界パスタデー(World Pasta Day)
「世界パスタデー(World Pasta Day)」は、1998年(平成10年)に、世界各国のパスタ業者の連合会や協会によって構成された「運営委員会」が制定しました。
10月25日である理由は、1995年(平安7年)の10月25日に、 イタリアのローマで「第1回世界パスタ会議」が開催されたことに由来します。
毎年10月25日には、世界各国においてパスタの魅力を伝えるさまざまなイベントが開かれます。
パスタの歴史
パスタの起源
パスタの誕生については諸説ありますが、
ここでは二つを紹介します。
- パスタの起源は中国の「湯餅」
- パスタの起源は古代ローマの「プルス」
①パスタの起源は中国の「湯餅」
今から約1500年前の「斉民要術(さいみんようじゅつ)」という世界初の農業に関する学術書によると、「湯餅(たんぴん)」が現在の麺類のはじまりとされています。この「湯餅」こそがパスタの起源という説があります。湯餅というのは手で伸ばされた棒状もしくは小片状(小さな切れはしの形に近いもの)で、麺の始まりとされています。そして、この湯餅をイタリアにもたらしたとされるのがマルコ・ポーロです。マルコ・ポーロは1271年(文永8年)、中国に足を運んだ際に、中国人が細長い食べ物を茹でている光景を見て、興味を持ったマルコ・ポーロは、その作り方を教わり、イタリアに伝達したといわれています。これが、パスタの始まりとされています。
②パスタの起源は古代ローマの「プルス」
古代ローマで主食にされた「プルス」という食べ物がパスタの起源といわれます。このプルスは、小麦やキビなどの穀物を粗挽きにし、お粥のように煮込んだものです。同じく古代ローマ時代に存在した「テスタロイ」は、このプルスを煮込んだお粥を板状にして焼いたもので、これはピッツァやラザーニャの原型に近いものと言われています。
パスタの普及
中世の頃になると、パスタを生のままスープに入れたり、ゆでてソースとあえるようになったと考えられています。13~14世紀のイタリアでは、パスタは一般家庭に普及するようになり、15世紀にはスパゲティの元祖ともいえる棒状の乾燥パスタがつくられていたといいます。
現代のようにソースとからめて食べるパスタ料理がイタリアに普及しはじめたのは、トマトの栽培が盛んになってからとなります。16世紀の大航海時代、新大陸から観賞用として持ち込まれたトマトが食用に改良され、17世紀頃からナポリ地方を中心に栽培が盛んになりました。それに伴い、パスタとトマトの組み合わせのおいしさに気づいたイタリア国民の間で広く普及したのです。やがて、17世紀半ばを過ぎる頃から、パスタ料理はイタリアから周辺各地に広がっていきました。
パスタの日本伝来
日本へ最初にパスタが持ち込まれたのは、幕末の横浜に作られた外国人居留地でした。当時、誰も見たことのない食べ物に「うどんのようだ」と記した書物もあります。
初めて国内でパスタが作られたのは1883年(明治16年)頃、 フランス人宣教師マリク・マリ・ド・ロ神父が、長崎県長崎市外海町に煉瓦造・平屋建のマカロニ工場を建設し、製造したのが最初といわれています。そして、日本人による初の国産パスタが作られたのは大正時代です。現在の新潟県加茂市で製麺業を営んでいた石附氏に、横浜の貿易商がマカロニの製造を依頼したのが始まりでした。